何想う 憾満ヶ淵のお地蔵さん
日光の寺社は、世界文化遺産に登録され、多くの観光客が内外から訪れています。かくいう自分も年
間最低でも5,6回は訪れますが、そのほとんどは、奥日光へ直行して直帰してしまいます。麓の市内で
毎年訪れる場所は、ここ憾満ヶ淵だけです。ここでは、約70体のお地蔵さん達が男体山を源とする大谷
川の渓谷に向かって瞑想しています。日光市街地区で自分が一番好きな場所です。東照宮や輪王寺が
大混雑している時期でもここはきわめて静かです。たぶん、団体客のコースに入っていないからかもしれ
ません。外国人観光客やカップル、登山口のある鳴虫山への登山者などが時折姿を見せる程度です。
ここの魅力は、何と言ってもここにいるだけで、心洗われる心境になることです。ここの空気がそうさせ
るのでしょう。このお地蔵さんたちが醸し出している空気です。お地蔵さんたちは苔に覆われ、かすかに
笑みを浮かべたり、目を閉じて瞑想していたりと一人一人の表情が違います。これらのお地蔵さんたちと
対話するようにじっくり見て歩くだけでリフレッシュできるのです。それともう一つ、渓谷の水やその水が育
んだ植物たちも魅力です。季節によって咲く花が変わり、秋が深まれば見事な紅葉、落ち葉とコケの緑の
コントラスト等々、魅力いっぱいです。
一度、雪のときにも来てみたい。