今日は、写真展に展示する自分の写真のことを少しだけ紹介しようかなと思っています。
2点、出展しますが、こちらが一枚目です。東日本大震災以降、福島の一本桜を撮って来ま
した。滝桜から始まって、地蔵桜、合戦場の桜などなど、有名な桜の多いエリアで、回っ
ても回っても撮り切れないほど、美しい桜を撮らせてもらえました。しかし、昨年くらいか
ら自分がやっていることは、桜巡礼と称してきれいな桜をただきれいに撮っているだけのこ
とでしかないと感じるようになりました。桜ことをもっと知らなければならないのではない
か。特に桜と人との関わりです。日本には「花祭り」の風習が各地にあって、それが桜の花
見のもとだという説もあります。花はさくら、桜の咲き具合で秋の収穫占うのが花祭り、つ
まり桜の花は、農耕民族としての日本人とは切っても切れない深い関わりがある。桜花に関
わるそう言った深い意味も写真で表現したい。そんなことを考えながら、桜と向き合い始め
ています。カラーではなくモノクロにしたのも、そういうちょっと抽象的なテーマがあるか
らです。
こちらがもう一枚です。榎の古木です。もともとは、曼珠沙華を撮るために、行った場所で
撮ったものです。9月になると毎年のように曼珠沙華を撮るために東奔西走します。曼珠沙
華は、桜と違って、花期が短い。約半月で終わってしまう。そして、個人的には、曼珠沙華
は、その花の名所、例えば巾着田のような場所も好きですが、それ以上に、田んぼの畦道な
どに自然に咲いているものが好きです。この榎を撮ったのも、そういう場所を探してたどり
着いたのでした。この木のある土手は、農業用溜池の土手に、曼珠沙華がたくさん咲いてい
るということでやってきたのです。でも、この木を見た瞬間から、曼珠沙華はそっちのけに
なってしまいました。樹齢は、約300年だそうですが、この幹の樹皮が本当に素晴らしい。
その300年の重みというかそんなことを感じ、立ち去りがたい思いに支配されたのでした。
今回は、2枚ともピクトラン局紙バライタにプリントしました。最近、モノクロプリント
の深みにハマり始めています。忌憚のないご感想をお聞きしたいと思っています。天気が
ちょっと大変なことになりそうですが、初日は、17時頃から、それ以外は毎日会場にいま
すので、お声をかけたいただければ嬉しいです。よろしくお願いします。